この温かさは永遠だった /「天使の涙」

最初に劇場公開された時に5回見に行ったという人と見た。
私も昔から大好きな映画。


トニー・レオンこそがカーウァイ作品に絶対不可欠な存在だと思うのだが、残念ながら『天使の涙』には彼は出演していない。
彼が出ていないのにカーウァイ作品でこれが一番好きという矛盾。

金城武のイノセントな存在感が“カーウァイ作品の青春期”(『天使の涙』『恋する惑星』)の象徴だったんだなぁと改めて思う。

この淡くせつなく清々しい幸福感は『ブエノスアイレス』のラストにもかろうじて残っていたが。

金城武の出なくなった『天使』後のカーウァイ作品は、とても美しいがとても悲しい。

(2005 4/16 文化村ル・シネマでカーウァイ特集として上映)