ひと筆描きの妙 /「コーヒー&シガレッツ」

久々に、隅々までジャームッシュな映画。
オムニバスなので眠くならないしね。


discommunicationという本来辛くて重いテーマを(かみあわない会話・すれ違う気持ち。ここでは誰もが名前を正しく呼んでもらえないのだ)、そこはかとないおかしみを漂わせながら一筆描きのように描いてみせる。ジャームッシュってすごく大人なのかもなぁと思った。


豪華キャストだが、第一話のロベルト・ベニーニの「芸人芸」が秀逸。イメージに反して“腰の低いいい人”なパーソナリティを見せるイギー・ポップもなかなか。二役のケイト・ブランシェットも『アビエイター』のオーバーアクトよりずっと魅力的。


まずそうなコーヒーばかり出てくるのにコーヒー飲みたい!と思わせる。
豊かなるモノクロカメラ。
(2005 4/27)