生真面目な東洋人の肖像 /「キス・オブ・ザ・ドラゴン」
小賢しい演出や恋愛物の要素やワイヤーアクションを極力排し、ストーリーもカメラもジェット・リーの神業的体技を見せることにシンプルに奉仕している。
寒々としたグレーのパリの街はアメリカを舞台にした作品よりもずっとジェット・リーに似合う。「追い詰められて孤軍奮闘する寡黙な東洋人」という彼の生真面目な持ち味がより引き立つ感じ。
リュック・ベッソン製作だが、監督も担当しているかの如く随所にベッソン節が。『ニキータ』のクールなエージェントが忘れがたいチェッキー・カリョが、『レオン』のゲイリー・オールドマンのようなキレキレの悪徳警官を演じていたり。
ジェット・リー出演作って、『キス〜』や『ロミオ・マスト・ダイ』など小粋なタイトルが多いですね。
※この作品でのリーのヘアスタイルが好き。いつものダサいショートと微妙に違うぞ。真似したい。
(2007 1/17)
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