スパイ仕様のPCって? /「007/カジノ・ロワイヤル」

Mを気取れば、「及第よ、でも次は更に上手くやりなさい」。

これの前にDVDで見た映画版『マイアミ・バイス』の駄作ぶり(もたもた弛緩した編集、主役コリン・ファレルのチンケさ)と比べれば、ずっとスマートに上手くまとまっている。


オープニングタイトルに関しては疑問。大いに疑問。それ自体は洒落た出来だが何しろ“スウィンギン・ロンドン”風で、『ジョアンナ』や『ナック』、あるいは007のパロディ映画が始まりそうなラヴリーさ…。
テーマ曲も萎える。歌不要。ジョン・バリーの不朽のインストだけでよござんす。


圧巻は『ヤマカシ』orジェット・リーを彷彿させる冒頭のチェイス。ボンドに追われる男の体技が目を見張る見事さ。何か賞あげたい(実はこの映画一番の見せ場はここだったり)。


ダニエル・クレイグは評判通りショーン・コネリーに次ぐ名ボンドだと思う。スーツの着こなしも素晴らしいブリット・セクシー。
しかし駆け出し時代のボンドって結構ポカだらけ、結果オーライなだけじゃないか?カワイタクヤのレビュー「VAIOを使うスパイなんて興醒め」というのも確かに。笑。


エヴァ・グリーンはやはりこういう派手な作品のヒロインには小物すぎる。『エントラップメント』の頃のキャサリン・ゼタ・ジョーンズなら最高だったろう。

ジャンカルロ・ジャンニーニおじさん(生きてたのか)が相変わらずラテン・ラヴァーのダンディさでヒロインの分も華を補っている。
(2007 1/4)